飲食業界22年、
現役料理長のコロネです。
【株式上場企業がどの業界においても信頼を得ている】ことは皆さまご存知のとおりかと思います。
稀に労働時間問題やパワハラ、過労死などで大きく取り上げられていますが【大企業なので国も目を光らせてる】わけです。
株式上場企業が諸問題を起こすと【株価に影響を与える】だけでなくイメージ的にも自社の損害は甚大なので【従業員はアルバイトまでしっかりケアしてくれる】わけです。
飲食業界の上場企業で働くメリット
- 労働時間、残業代が適正である
- 福利厚生がしっかりしている
- 飲食業界でも週休2日制
- 社員教育の徹底
飲食上場企業は労働時間・残業代が適正である
変形労働時間制ではありますが【ひと月の労働時間が176時間】と決まっています。
入社時の契約書で【労働時間や36協定についての説明】もしっかり記載されていました。
飲食業界ブラック企業とホワイト企業の比較(わたしの経験談)
36協定(特別条項付き)について【以前の別の会社では詳しい説明がなく】
「この協定にサインすれば残業代ゼロで何時間働かせてもかまわない」と説明されました。
そして「サインしなければ辞めてほしい」と現代では考えられない、
【労働規約違反、詐欺罪、パワハラ】と以前の飲食業界は現在よりも過酷で悲惨な環境でした。
その会社では【ひと月に320〜60時間の労働】で、
「会社業績が振るわないという理由で減給する」と言われた時に辞めました。
今から考えるとひどい会社だったと思います。
そのような経営スタイルで長く持つわけもなく現在は廃業しています。
飲食上場企業の残業は「繁忙期のみ」
その後に入社したのが上場企業の会社だったので【労働契約書に36協定の文字があった時】は不安で仕方ありませんでした。
入社してみると上場企業は非常に効率的な仕事内容で【残業させてはいけない】のが基本スタンスです。
その時の上司から「仕事を終わらせて早く帰りなさい」という指示を受けた時は衝撃でした。
その日の売り上げが外的な要因で伸びないと予想されると【3時間の労働で帰宅したこと】もありました。
凄くないですか?
【暇な日の労働時間はカットして繁忙期にあてる】という非常に効率的な経営スタイルです。
飲食上場企業の残業代について
繁忙期は長時間労働になってしまい【176時間以上の残業代をしっかり】いただきました。
飲食業界の労働時間と残業代について詳しくはこちらをご覧ください。
【飲食店の労働時間と残業代 36協定?誰でもわかるカンタン解説】
飲食上場企業は福利厚生がしっかりしている
一般企業と同じ内容で、
- 諸手当
- 健康診断
- 交通費
- 社会保険など全て整っています。
飲食の上場企業は「完全週休2日制」
一般企業並みのライフスタイル
【飲食業界で完全週休2日制】は後にも先にも上場企業で働いたこの時しか経験したことはありません。
有給休暇の使用も義務付けられており【実質ひと月の休みは8〜12日】くらいあったと記憶しています。
このようなライフスタイルも飲食業界で経験したことがなかったので休みの日を持て余し戸惑ったことを思い出します。
休日をスキルアップに…
そんな休日の多い状況で上司に教えられたことは、
「うちの会社は休みが多いから【ひと月の1日、2日でも自分のスキルアップの日に使いなさい。」という有り難いお言葉でした。
そのお言葉のおかげで現在パソコンを使ってこの文章を書いています。
飲食上場企業で働く価値について
上場企業で働いたのは短い期間でしたが【他の飲食企業で働くより人生価値】があると感じました。
上場企業で学んだ
- 経営スタイル
- 時間の使い方
- 密度の濃い仕事内容
- プライベートの充実さ
- 自身のスキルアップに使えた時間
など感謝しかないです。あの経験がなければ今の自分はないと思います。
飲食上場企業は社員教育を徹底している
入社してすぐに新入社員教育があります。
本社の方が地方まで来られその地域の新入社員が集められます。
内容は詳しく書けませんが「売り上げを上げろ!長い時間働け!」のような内容ではなく、
【上場企業で働く人としてのあり方】のような感じでした。
その後も【3ヶ月毎に社員会議】がありその日も出勤扱いです。
他の企業では休みが取れず【休日でも仕方なく会議に参加する】ことが多いのではないでしょうか?
飲食業界の上場企業での経験は経験した人にしかわからない素晴らしい経験の数々でした。
そんな上場企業でのデメリットも考えてみたいと思います。
飲食業界の上場企業のデメリット
- 仕事が単調になる
- 職人よりもサラリーマン
- 出世を目指さない人には向かない
- 転勤が多い
- 仕事内容が濃い
飲食の上場企業は仕事が単調になる
株式上場してるくらいですから【明確な利益構造】を持っています。
料理に関して言えば原価率も細かく計算されており、ひと月の原価率がブレれば始末書を書かなくてはいけません。
それほど計算された料理だと仕事内容が単調になりがちで【料理というよりも作業化してしまう印象】でした。
特に20代前半のかたは、
【調理技術】【知識も乏しく】作業化してる印象でした。
20代では【ある程度の調理技術、知識を身につけたほうがいい】と感じます。
飲食の上場企業は「職人よりもサラリーマン」
さきほどの話の流れの続きですが利益構造がしっかりとあると自分自身の調理技術、知識の見せ場は少なくなります。
そうなると、
【上司との付き合いや会社での立ち回り】が出世するにはとても重要になってきます。
上場企業は社員数も多いので必然的に派閥のようなものがあり【強い派閥は出世しやすい印象】でした。
もちろん強い派閥の人は仕事で結果を出せる人なので学べることも沢山あります。
ただ、【サラリーマン的な雰囲気が苦手】なかたや今までに経験したことがないかたは戸惑うかもしれません。
飲食の上場企業で働くなら「出世を目指さない人」には向かない
一連の流れで仕事が単調でサラリーマン化していると【目指すべきは出世の部分】しかなくなってきます。
福利厚生が充実しているのでそこで満足していてもいいのですが、上場企業の社員さん達は【以前の他の企業の人よりもギラギラしていた印象】です。
自分自身は出世を望まないとしても相手は絡んできて、悪く言えば「すきあらば潰してやろう」という雰囲気でした。
わたしは強い派閥に属していたので絡んでくる人はなくどちらかと言えば気を使われてた感じがしました。
飲食業界ではあまり感じたことのない不思議な空間です。
【上場企業に就職するならば出世を目指すべき】でしょう。
飲食上場企業は転勤が多い
わたしが勤めてた上場企業は【基本的に2年以内に異動と】いう暗黙の了解がありました。
2年以内に異動することは非常に大切で皆さんも経験があると思いますが、
数年間も一つの店舗で働くと【慣れてしまい精神的にも緊張感がなく仕事が作業的】になります。
【マンネリ化を予防するため】に転勤があります。
持ち家のかたにとっては少しマイナス面かもしれません。
とはいえ、極端な地方に飛ばされることなどなく現実的な通勤時間の範疇の転勤かと思います。
飲食上場企業は仕事内容が濃い
最初のメリットのところで書きましたが、
- 週休完全2日制
- 有給消化
- ひと月の労働時間が176時間
など、この環境で利益を出そうとなると【労働時間内の仕事内容は必然的に濃いもの】になります。
とても忙しく仕事してましたが慣れてしまえば【週に4〜5日の出勤、8時間労働】なので大丈夫だと思います。
その過酷な仕事内容のためにわたしは余裕のある時間を使いジムに通って体力づくりをしていました。
今から思えば【かなり健康的な暮らし】をしていたと感じます。
良い会社で働くことは、とにかく良い方向に物事が進んでいきます。
まとめ
【上場企業のメリット、デメリット】を述べてきましたが印象は変わりましたでしょうか?
あなたの【目的により働く職場は変える】必要があります。
あなたの飲食業界で働く目的の優先順位は、
- お給料ですか?
- 労働時間ですか?
- 休日数ですか?
- スキルアップですか?
そのすべてが上場企業にあります。
皆さまの飲食業界ライフに少しでも役立てればと思います。
飲食業界で上場への転職を考えるなら「非公開求人」を扱う転職エージェントに相談するのが必須です