飲食業界 これからの調理師に求められる4つのこと
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最近の飲食店は「どこの店舗で食事しても美味しい」と思います。

「美味しくて普通」で、演出や変わった料理、コストパフォーマンスの高さも求められ飲食業界は過当競争になっています。

そんな状況で調理技術以外に調理師はこれから何が求められてるのでしょうか?

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冷凍食品を活かせる柔軟な発想

最近の【冷凍食品のクオリティーの高さ】には驚きます。

わたしが料理のお仕事を始めた20年前、

  • 冷凍食品は「美味しくない」
  • 「冷凍食品を使うのはダメな店舗だ」と言われていました。

いまだに、わたしよりも年上のかたはそのようなイメージがあるようです。

しかし、現在の飲食業界では【冷凍食品がなければ成り立たない】ほどになっています。

だからといって「冷凍食品をそのまま提供」していては家庭料理と変わらないので、

【冷凍食品を使った発想と調理技術】が求められます。

冷凍食品に対して「ネガティブなイメージ」は持たないようにしたいですね。

冷凍食品や既製品の使い方はこちらも参考にしてみて下さい。

時間のない共働きの方へ向けた記事ですが、

【冷凍食品と既製品を使いメニューを増やす方法】を記載しています。

数字管理能力

調理師は【美味しい料理さえ提供していればいい】という時代は終わっています。

飲食店の経営において知るべき数字には、

「どのようなものがあるのでしょうか?」

  • 人件費 (LABORコスト)
  • 食材費 (ドリンクも含む FOODコスト)

この2つの頭文字を合わせてFLコスト】と言います。

売り上げ高に対してFLコストが60%以内が一般店、50%以下は超優良店となります。

「利益率が高過ぎる」とお客様にしわ寄せがいってる可能性もあるので注意が必要です。

その他に、

総売上、家賃、電気代、ガス代、水道代、

消耗品代、ネット販促費、純利益、なども知っておくべきです。

ご自身が、独立する時や転職してからも必須の知識となります。

料理メニューの原価と店舗での役割

詳しく知るべきことは1つのメニュー毎の原価で、

いくらで作って、いくら儲かるのか?」ということです。

金銭的だけではなくその店舗における【各料理の価値、その料理の店舗での役割を知る】ことも非常に重要です。

【料理】の店舗での役割とは?

  • コスパの高い宣伝用なのか?
  • 原価率の低い収益メインの料理なのか?

という感じです。

料理を「どれくらい売っていくら儲かるのか?」という視点は、

独立してから必ず役立つことです。

ちなみに飲食店で「料理売り上げメイン」の店舗と「ドリンク売り上げメイン」の店舗では経営スタイルや食材原価も変わってきます。

利益構造や出店についてはこちらで詳しく解説しています。

飲食店で将来、独立出店を考えてるかた。

年齢的にマイホームの購入を考えてるかたにおすすめの記事はこちら。

わたしが独立出店するなら店舗併用住宅で考えます。

「店舗の家賃の負担は大きい」ですし店舗併用住宅は将来の不安要素である、

  • 年齢による失業
  • 店舗の売り上げで「マイホームのローン返済」

以上を解決してくれます。参考にしてみて下さい。

数字で話をする

会社や上司と店舗の状況を話す時は【必ず数字で話せる】ようになりましょう。

数字で話ができないと「相手を納得させることは難しく」会社や上司は数字で話してきます。

例えば、

「今月の売り上げは○○円でしたが、フード原価を○○円○○%抑え、○○円の利益を出すことができました。」

といった具合です。

調理長を目指すなら必須なことで、いくらご自身で頑張ってるつもりでも【企業は数字と結果】しか見ていません。

あなたが「仕事が報われない!」と感じた時はこちらもご覧ください。

あなたの「お給料がなぜ増えないのか?」について解説しております。

外国人労働者と働けるコミュニケーション力

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現在わたしは3年連続で外国人のかたと働いています。

国籍によって「味覚が異なる」ようで苦戦することもありますが、

外国人労働者を雇わないと現在の飲食業界は成り立ちません。

日本語がわかるレベルも様々で文字で教えることもあります。

外国人労働者のかたは「生活がかかってる」ことが多いのでマジメな印象です。

キッチンのお仕事はキツイ面もあるので続かないスタッフも多くとても助かります。

これから10年後には、ますます「日本人の若い世代が飲食業界で働くことが減っていく」と予想されるので、

【外国人労働者に指示を出して働ける】ことは重要になります。

詳しくはこちらもご覧ください。

「外国人労働者の労働時間」についても記載しています。

しっかり理解しておきましょう。

決められた時間内で仕事を終わらせる技術

【働き方】が問われる現在、労働時間が長いとされる飲食店で、

【時間内で仕事を終わらせる能力】は重要になるでしょう。

その日の入客数にもよりますが、

「当日の仕事を当日している」ようでは仕事は終わりません。

先を見越して「今日は明日のために仕事する」くらいの意識を持って計画的に仕込みもするべきでしょう。

繁忙店であってもアイドルタイムは必ずあるので、その時間に「どれだけ仕事を進めれるか?」がポイントになってきます。

オペレーション構成力が必要

人材不足が深刻化しており冷凍食品などを使ってのオペレーションの構築力も求められるでしょう。

その時に、もちろん味が落ちることはあってはならないので、

【効率化とクオリティーの高さのバランス】を探らなければなりません。

企業側がメニューやレシピを提供してくれますが(小中規模の企業では無いこともある)効率的に生産していくシステムは店舗で考える必要があります。

人材不足を「テクノロジーなどで補い解消する」ことについての記事になっております。

現在の便利な調理器具

スチームコンベクション

ボタン一つでオーブン(焼き)と蒸すこと、焼き蒸しも出来る優れもの調理器具です。

最近では無い店舗のほうが珍しいですね。

 


【レマコム スチームコンベクションオーブン RSCOS-201C トロリータイプ 20段仕様】

真空機

真空調理とスチームコンベクションは「非常に相性がよく」頻繁に使われてるのではないでしょうか。

 


【FoodSaver 【公式】 真空パック機 フードセーバーV4880 ジッパーバッグ S18枚+L12枚付】

食洗機

人材不足の現代では必須です。

 


【リンナイ フロントオープンタイプ ビルトイン食器洗い乾燥機 RSW-F402C-SV シルバー】

以上の機材なども使用してオペレーションの効率化を図る必要があります。

 

調理師の未来

調理師は【技術職なので一生働けるお仕事】だと思います。

どれだけ社会の技術が進歩しようとも機械やシステムを使える人がいなければなりません。

ある企業ではキッチンに調理器具のないような店舗もあるようですが、やはり【レトルトや冷凍食品を温めるだけ】では美味しい料理は出来ません。

料理には人の気持ちが不可欠

例えばポテトフライにしても、

  • 揚げる時間タイミング、
  • 油切り、
  • 塩加減、
  • 提供までのスピード

など色々な要素が入ってきます。

わたしはポテトフライでも美味しく提供しようと心がけています。

そんな「気持ち」は既製品には含まれていないのです。

調理師が数字管理もできたら…

調理師が数字管理もできれば、ホール業務のみの【店長という立場はなくなる】と予想されます。

特に「利益構造が明確に構築できてる会社、店舗」には必要とされないでしょう。

  1. 調理長兼任店長、
  2. その部下に「ホール、キッチンに社員」がいる

という構成になるでしょう。

ホール専門のかたは「40代を超えたあたり」から仕事も少なく転職するとお給料も下がる印象です。

若い頃から【上場企業などで役職を目指して働く】のが正解な気がします。

現在20代で「ホール業務のみで不安なかた」はこちらも参考にしてみて下さい。

若い世代の人たちへ

これからの調理師に必要な数字管理能力や柔らかい思考能力は、古い職人の料理人(専門職)では理解できないと思います。

これからは、1つのことだけをやれば良い時代ではありません。

日本人は時代感覚をつかむ能力が低いといわれており「どの分野で自分を成長投資(働く)するべきか?」を意識しません。

「俺は職人(割烹の板前、洋食の有名シェフ)になる!」こんな方は目標に向かって頑張って下さい。

1つの分野でトップまでいくと横展開のつながりが出来ます。職人を目指すならトップを狙うべきでしょう。

「一般的な飲食店」で働いている若い方へ

専門的な分野は職人さんに任せて、私のような一般的な飲食店で働いてる人は「1つの店舗、企業で長く働く」のはオススメしません。

スキルを身に着けたら次の店舗、企業へ転職したり、関連性のある仕事へ転職して常に「スキルアップ」を意識しましょう。

私自身も20年で5回転職しています。

兼業調理師を目指しましょう。

兼業調理師とは?

わたしが飲食業界20年で5回転職しての結果。

  • 調理師
  • ブログ運営(飲食経験が多く必要)
  • 株式投資家

以上の3つを兼業しており、次は独立出店を目標にしており「経営者」のスキルを現在学んでいます。

一般的な飲食店スタッフは「自分で考え、次の目標を常に設定」していかなければ頭打ちします。

一般的な飲食店1店舗で10~20年働いていても身につく経験や知識は少ないということです。

年を取らなければいいのですが、人にとって時間は限られており年数でスキルアップする意識は常に考えて下さい。

わたしが20年で5回転職してるように「転職の時期は3年周期」です。

1つの店舗、企業の仕組みを「3年で理解する」イメージです。

自分探しより「自分ができること」から始める

「自分とは何か?」を考え自分探ししては現代の変化スピードに対応できません。

あなたが現在「やりたいこと」と「すべきこと」はイコールではないと思います。

まず「今すべきこと」をやると自分らしさが形成され「すべきこと」の先に「やりたいこと」が見えてきます。

まず行動の時代です。

リスクをとれるか?

「リスクをとって行動する」ことは、AIにはできないそうです。

逆に考えると「リスクがあるからやらない」のは機械的で思考停止し、ブラック企業に搾取される気がします。

「リスクをとる」とモチベーションがあがります。人類とAIの差は「モチベーション」です。

若い世代の方たちは「リスクをとり行動」して下さい。

現状維持バイアスに影響されてはいけません。一生、年を取らないのであればかまわないのですが…

転職エージェントの上手な使い方をご紹介します。

当ブログでは裏の目標として、

  • ブラック企業、店舗をなくす
  • 調理師の社会的地位の向上(調理師は国家資格です)

以上の2点を目指しています。

【調理師の意識を高め】社会的地位のさらなる向上を目指しましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

次の記事へ>>『飲食店の正社員はきつい…改善すべきあなたの人生』

(飲食業界は【思考停止しやすい条件】が揃っていて注意が必要です。)

 

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