飲食店の労働時間と残業代 36協定?誰でもわかるカンタン解説
tskirde / Pixabay

 

飲食業界22年、現役料理長です。

  • 「残業しても残業代が貰えない…泣」
  • 「わたしは残業時間が給料明細書に記載されてないけど、実際の残業時間と残業代はどうなっているのだろう?」
  • 「36協定を締結すると残業代は貰えないの?そもそも36協定って何?」

こんなお悩みを解決します

わたしも以前「340時間働いて残業代なし」の経験があります。

この記事でわかること
  • 36協定とは「残業させてもいいが、残業代を払わなくていい訳ではない」と理解できる
  • あなたの残業代の計算方法がわかる
  • あなたが本来もらえる残業代こみの給料額がわかる
  • 未払い残業代は「意識的に会社が払わないようにしている」ことがわかる
  • 未払い残業代請求方法がわかる
  • 我慢できないあなたへ「退職代行サービス」の利用のおすすめ
  • ブラック企業からホワイト企業へ転職の提案
以上の内容となります。
気になるところだけでもお読みください。

順に解説していきます。

 

飲食業界と一般企業の労働時間は少し違います。

これを一緒に解説されるとわかりづらいので、当ブログでは「飲食業界のみの労働時間」で解説します。

途中で説明文を挟むとわかりづらくなるので各用語は後で解説します。

それでは見ていきましょう。

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飲食店の労働時間(変形労働時間制)について

【1週間の7日で44時間】

月176時間を超えると残業になります。

なぜ「週間や月単位の労働時間なのか?」

飲食店などの業態は、毎日同じ集客数・忙しさではないからです。

基本的に週末が忙しく平日はヒマなので「状況により労働時間の長さを変えていいですよ」というのが変形労働時間制

 

労働時間の長さを変えてもいいが「週や月単位で定められた時間数でおさめましょう」というのが国の定める形です。

ですが、変形労働時間制の根本を守らず悪用し「ブラック企業が誕生する理由の1つ」になっています。

36協定締結(特別条項付き36協定)について

36協定を会社と従業員の間で締結すると「1ヶ月に45時間までの残業」が可能になります。

(先程の176時間+45=221時間)を超えたら違法行為ですが

「1ヶ月に60時間を超える残業を認める(繫忙期など年6回まで)」これが【特別条項付き】です。(176時間+60=236時間~

繁忙期など年6回とは?

年末年始・歓送迎会シーズン・ゴールデンウイーク・お盆などの繁忙期が考えられます。

「36協定は残業させることを認める」だけであり【残業代を払わなくてもいい】法律ではありません。

残業時間の過労死ラインについて

1ヶ月に80~100時間の残業が「常習的に行われている状態」

この労働時間で恒久的に働かせてる企業は業務上過失に相当します。

経営者・店舗管理者のかたは気をつけてください。

 

「労働者として過労死ラインの労働を強制されている」なら今後について考えたほうがいいでしょう。

*過労死ラインの労働をさせておきながら残業代を払わない企業も存在します

残業代の割増賃金について

本来「基本給は月176時間に対するもの」です

176時間を超えた労働時間は、時間数に対して1.25倍の割増賃金がもらえます。

時間外労働の時間数×1時間あたりの賃金×1.25

 

残業60時間から(月236時間~)は時間数に対して1.5倍(中小企業は1.25倍)の割増賃金がもらえます。

時間外労働の時間数×1時間あたりの賃金×1.5(中小企業は1.25)

 

*60時間を超える残業割合倍率は就業規則で確認してください

(会社規模により倍率が違います

割増賃金の種類

  1. 時間外労働(残業代)に対するもの
  2. 休日労働に対するもの
  3. 深夜労働に対するもの

*「時間外労働に対するもの」は上記で説明しました。

休日労働に対する割増賃金

「週に1回又は4週に4回以上の休日を与えなければならない」と定められています。

例えば、ひと月に3回しか休みがなければ

休日手当として基礎賃金の1.35倍以上の賃金をもらえます。

深夜労働に対する割増賃金

法律上、午後10時から翌午前5時までの時間帯は深夜時間帯とされており、深夜時間帯の労働は深夜労働となります。

深夜手当として基礎賃金の1.25倍以上の賃金をもらえます。

 

以上の感じで残業代の割合について、わかりましたでしょうか?

ややこしいですよね。

テンプレートを用意しましたので、私と一緒に計算してみましょう。

あなたの労働時間で考える

まず基本給からあなたの時給を計算します

わたしの基本給を17万6千円にします(わかりやすくするため)

基本給176,000÷176時間(基本労働時間)=1,000円

わたしの時給です。

あなたはいくらでしょうか?

あなたの基本給÷176時間=あなたの時給です

次に残業代を計算します

*あなたの会社の残業割合倍率は【就業規則で確認】しましょう。

わたしは「先月300時間働いた」とします。

あなたの【総労働時間】は何時間でしょうか?

残業時間を計算します

総労働時間-基本労働時間=残業時間

300-176(基本労働時間)=【124時間残業した】ことになります。

あなたの【先月の総労働時間】-176=あなたの【残業時間】です

【1.5倍分の時間】を出します

124-60(1.25倍分)=64(1.5倍分がこれになります)

あなたの残業時間-60(1.25倍分)=1.5倍分の残業時間です

*「0時間の可能性もあります」

(会社規模により1.25倍もあります就業規則で確認)

 

A  残業【60時間以内】の金額を計算します

60×1000(時給)×1.25=75000円 (60時間以内の残業代)

60×あなたの時給×1.25=60時間以内のあなたの残業代です

(60時間以内ならば60を【当該数字】に変えてください

 

B 【60時間以上】の残業代の金額を計算します

64×1000(時給)×1.5=96000円(60時間以上の残業代)

60時間を超える残業時間×あなたの時給×1.5=60時間を超えるあなたの残業代です

*残業時間が60時間以内なら0の場合もあります

 

総残業代を計算します (A+B)

75000+96000=171000円になりました(総残業代)

A     +B    =あなたの【総残業代】になります(Aのみの可能性もあります)

 

総支給額を計算します

176000(基本給)+171000=347000円になります。

【あなたの基本給】+【あなたの総残業代】=あなたの本来貰えるお給料

本来もらえる給料に
通勤手当
役職手当
休日手当
深夜手当

などが加算されます。

あなたの本来貰うべきお給料はいくらでしたか?しっかり貰えているでしょうか。

 

飲食店の固定残業代(みなし残業)について

わたしの給料明細書は【基本給】【業務手当】【料理長手当】【交通費】で構成されています。

どこにも残業代の記述がありません

「基本給は安易に下げてはいけない」ボーナスや退職金のベースとなる重要な金額です。

【手当】は業績不振や降格人事などで簡単に外してもいいものです。

固定残業代(みなし残業)が未払い残業代の原因

固定残業代(みなし残業)とは、企業が一定時間の残業を想定し「あらかじめ月給に残業代を固定で記載」し残業時間を計算せずとも固定分の残業代を支払う制度です。

固定残業代制度を悪用し「残業代未払いや長時間残業」の原因になっています。

例「基本給25万円(一部、固定残業代を含む)

以上のようなケースは固定残業代が「何時間で、額はいくらなのか?」まったくわかりません。

「何時間働いても給料は増えないですよ。残業代払いませんよ。」というのが企業の思惑です。

固定残業代の時間と支払額については「就業規則に記載されてるはず」です。

しかし企業側は「就業規則の存在」を社員に積極的に教えません(知られると都合が悪い企業ほど隠します)

 

飲食店スタッフの給料・年収についてはこちらもご覧ください

固定残業制は必ずダメなのか?

わたしの会社は固定残業制】業務手当】として残業代が支給されていますが、

【残業代と明記していない】ところがポイントです。

完全にブラック企業です(笑)

 

なぜ「わたしが辞めないのか?」

先月の労働時間は190時間でした

ほぼ定時(8時間労働)で働いて、それなりの額は頂いてます。

飲食業界(上場企業を除く)にしては、少ない労働時間でしょう。

固定残業制なので残業時間が「少なくとも」満額をいただきます

*固定残業制は労働時間が少ないとお得なのです(わたしのケースはかなり珍しいと思います)

あなたの明細書はいかがでしょうか?

【基本給】【残業代】がしっかりと明記されており金額も正しければホワイト企業です(上場企業など)

もし残業代の明記がなくても

常識的な残業時間数・お給料の額で、あなたが満足なら私のように訴える必要はありません。

 

許せない残業時間は「過労死ライン」を超えること

わたしが許せないのは

300時間前後も労働させて残業代未払いのようなケース(わたしも過去に経験済み)

過労死ラインも超えており、かなり悪質

転職するか訴える準備をしましょう。

未払い残業代がなぜ発生するのか?

27707 / Pixabay

 

ブラック企業は、偶然ブラック企業になっているのではなく「ブラック企業と自覚して」グレーに見せています。

なので、あなたが残業代について「訴えます」と会社側に伝えても、会社が「はい。支払います」にはならないでしょう。

ブラック企業の自覚があるということは、

「訴えられた時のことも想定してる」可能性が高いので、あなたもしっかり準備が必要です。

未払い残業代は「企業側の罰則が軽い」のが原因?

なぜ会社側が訴えられる状況で放置しているのか?

「未払い残業代について罰則が軽い」ので、あなたに残業代請求されない限りは罰則金よりも「残業代を支払うほうが高くつく」からです。

ブラック企業は意識して仕掛けてるので許せません。

*株式上場企業は訴えられたリスクが大きいのでホワイト企業の可能性が高いです。

退社代行サービスのご案内

残業代を計算して嫌になり「すぐに辞めたい!」と思ったあなたへ

退職願いの提出は1~3か月前というのが基本ですが「企業が法律違反している状況」で従う必要はありません。

 

こちらで詳しく解説しています

未払い残業代請求前に準備すること

準備するもの
  1. 自身の労働時間を明らかにする証拠(タイムカードのコピーや画像・業務日報など)
  2. 就業規則の確認(固定残業制・管理監督者・変形労働時間制・裁量労働制などの項目の確認)
  3. 労働契約書や給料明細書(未払い残業代請求ができるのは2年分です)

以上の準備ができたら、弁護士(残業代未払い請求の件に得意な)に相談するのがオススメ

  • オススメですが「色々と準備」したり「会社とやり取り」するの面倒くさい…
  • 会社と対立しながら働けるだろうか…

退職代行サービスなら面倒なことをお任せできます

一人で戦うのは非常に危険です

先ほども述べましたが「企業側は必ず訴えられた場合の準備」をしています

企業と戦うのなら、ある程度の覚悟を持ち「転職も視野に入れ、次の仕事も決めておく」など戦略的に動きましょう。

まとめ

36協定や残業代について、ご理解いただけましたでしょうか?

しっかりと理解し正当な給料をいただきましょう。

未払い残業代請求をお考えのあなたへ

  1. ご自身の現状と労働基準法を理解する(就業規則を確認する)
  2. 訴えるなら【必要な書類】などを集めながら次のお仕事も考える
  3. 未払い残業代請求の件に【得意な弁護士】に相談して一人では戦わない
  4. 会社と対立し、ストレスを感じたくないなら退社代行サービスを利用する

この流れが最善で綺麗に退職できます。

退社代行サービスに依頼する前に、次の仕事の準備もしましょう

次の仕事が決まってないと不安ですよね?

1個づつ不安や悩みを解決していきましょう

ホワイト企業で働くなら上場企業

上場企業は全ての面でしっかりしており、転職の際には飲食業界でも上場企業で働くことをオススメします。

わたしが労働時間などに詳しいのは、以前に上場企業で働いていたから

特に若い世代のかたは多くの企業で働いたほうがいいでしょう

 

上場企業については【飲食業界の上場企業で働く メリット デメリット】こちらで詳しく解説しております。

若い世代の労働者は会社にとってありがたい存在ですが…不法残業には気をつけてください。

 

あなたが20代なら、こちらの記事も参考にして下さい

《年収が低い飲食店 20代正社員は修行という嘘に騙されるな!》

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個人的に将来、ブラック企業は淘汰されると考えています。

理不尽な企業では働かず、後輩のためにもブラック企業を無くしていきましょう。

あなたがブラック企業で働かないのは社会のためにもなります

 

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